遠浅

平野明

シビウ0日目

離陸する時いつも何かを思い出せそうな気がする。東京から11時間のフライトを経てカタールへ。三列シートを独り占めして深い眠り。ドーハの空港で日本人ボランティア2人と合流。乗り継いでブカレストへ。アナウンスの聞き間違えで昼食をパスしてしまった。I'm dying of hunger.昼の2時ごろ着。空港を出るとトルコとインドネシアからの2人が待っている。みんなで車に乗り込み、いざシビウへ。いい天気、むっちゃ暑い。かわいい屋根。空の淡さ。ゆるいクーラー。最近見た演劇のはなし。

19時半シビウ着。リアルまゆみさんがいる!わたしは大学寮に降ろされ、20分でシャワーを浴び、着替えて外へ。

女4人で夜ごはん。ミートボールのスープとレモネード。テラスの陽気な空気。外は20時すぎなのにとっても明るい。日が沈んでもネオンの明るさとは違う、夜空が発光してる。絞り出したばかりのアクリルガッシュみたいに新鮮な青。"サマータイム"の言葉が初めてわかる。パヴェーゼはこの夏の中で、あの美しい夏を書いたんだ。ごはんを食べ、お腹が満ちると途端に疲労を思い出す。部屋に戻っても、ぐったりするだけで眠れず。いくつかのメール。魂が追いついてない。0日目。

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