遠浅

平野明

シビウ16日目/ Faust and more

この天国みたいな時間が終わるなんて。

8時起床。だれもいないキッチン。コーヒー。gong theaterへ。次のカンパニーが下見にくる。

16時gongにて、white and black tea room(2回目)。昨日、字幕遅れてるのかなと思ったとこ、やはり意図したものだった。静かな演劇。原作に忠実。舞台奥のレコードが印象的。はじまりの受話器を取る動きの端折りかた、おもしろい。

f:id:hiramydays199:20220704001027j:image

18時、ラドスタンカでMacbeth。骨抜きにされる。明日も見る。演出がとにかく楽しい。セットはいたってシンプルだが、洗練された雰囲気ではなく、非常に野暮ったい(すごい)。床に撒かれた粉が宙に舞って、舞台に密度を感じる。とても細かい振り付けだ、役者にしても音にしても。すみずみまで演出家の息を感じる。すごいや。数字ってそれぞれ良さがあると思っていて、この人は奇数の良さを知ってる偶数の天才。最後、4枚の鉄板の1枚を叩くシーン。これってお墓なのでは、たぶん。作品の言葉をみつけた演劇。

19時、長いスコール。

22時、Fabrica de CulturăにてFaust。

f:id:hiramydays199:20220704002006j:image

圧倒されすぎる。役者多い。なんでもありな世界観。未だに処理し切れない。寺山修司感じる。宇野亜喜良テイストの月。人が観客の上を飛ぶし、口から火が出るし、エロキッチュ、人力、悪魔。ポピさんにドキドキする。Faust hallでしかできないマグマみたいな迫力。

24時、tnrsのハブに戻る。開演前アナウンスのMIX良い。『Enjoy the show!』友だちと踊る。

26時帰宅。のはずが鍵を開けられなくて、tnrsへ戻る。ハーバルマンの階段。友だちみつけホッとした気分。ウーバー拾って、友だちの家に転がらせてもらう。救われた……。シャワー浴びて、4時半就寝。なんてこった。16日目。

ティーンの女の子の名言。『帰りたいならもっとビールを飲みなさい。そしたら帰りたいなんて思わなくなるから。』