昨夜から降り続いていた大雨も午前中には落ち着き昼過ぎにやんだ。やんだと言っても厚い雲が空の奥のほうまで垂れ込んでなにか言いたげなすっきりしない大気が日没後も続いていた。1日中寒くてほこり臭い冬物にあたたかく包まれていたらなんだか気が滅入ってきた。だれかの手紙をしきりに待っているような落ち着かない気持ちで実際3回も郵便受けを確かめてしまった。
年始からちょっとがんばりすぎている。いまも秋に向けての制作が待っているのだけどここで一旦休みのターンを挟むことにする。梅雨は梅雨らしく。がんばるのは夏が来てからでいい。その代わり6月は毎日日記を書くつもりだ。今日はそのお試し日。
雨が止んでからお気に入りの古本屋へ出かけた。古本を8冊2,420円で買った。デニーズに腰を落ち着け永井荷風「墨東奇譚」を読み切った。東京の地理をよく理解できていないけど舞台の向島は浅草の裏(隅田川の東側)にあるらしい。会話が上手い。書き留めたい描写がいくつかあった。ハマるほどではなかった。
次に手をつけたのは林芙美子の「女の日記」。東京育ちの女が京都に住む話で身に覚えのある冬の厳しい寒さが書き込まれている。布という布を足元に引き寄せても寒くて眠れず涙ばかりが流れるとある。わかる。
19時ごろ帰宅。夕飯はしょうが焼きを作って食べた。アルプスの少女ハイジを見た。今日はこんな感じ。
強風でがたつく家の窓から見えたのはキジバトのカップルで。雨でびしょ濡れになりながら熱心にお互いの毛を繕いあっていた。ハトみたいに傘も悩みも要らずに生きることができたらどんなに素敵だろう。