遠浅

平野明

蛍(6月4日の日記)

バイトの日。夜、蛍を見にいく。

森の中で夜を待った。日が落ちてもすぐには暗くならない。時間潰しに来た道を引き返していたら木道のまわりで蛍が光りはじめた。小さいけど強い光。ゲンジボタルだろう。火の粉みたいな光が天からゆらゆらと落ちてきて葉っぱに降り立った。夜の森の息遣いのように光が灯されては溶けてゆく。多いところでは20の光を目に収めることができた。
あまりに繊細な光でうまく写真には写らない。

森を出てガストへ。夜のファミレスって大好き。久しぶりにビールを飲んだ。