遠浅

平野明

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしのフェミニズム・ノート

ジュリアン・バーンズの紹介でアニータ・ブルックナーを知り、彼女の紹介でコレットを知り、そのまた紹介でボーヴォワールに流れ着いた。フェミニズム、もっと勉強したい。ボーヴォワールの「第二の性」の合間に「上野先生、フェミニズムについてゼロから教…

3月

生まれて初めて私は、塩や海藻や、波が引いたあとの湿って匂いを放つ砂地、ぬれてきらめく魚を楽しみ、手で触れた。海辺の気候が、私のなかの、長い苦しみの思い出と、考える習慣を眠り込ませ、緩慢にしていた。(私の修業時代/コレット)

親指Pの修行時代/松浦理英子

“無邪気で平凡な女子大生、一実。眠りから目覚めると彼女の右足の親指はペニスになっていた。”(河出書房HPより) 30年前の松浦理英子のベストセラーである。1995年の読者は何を思っただろう。ちょうど戦後50年、インターネットも未発達で、わたしはまだ生ま…

私の修行時代/コレット/佐藤実枝訳

63歳のコレットがかつての下積みの時代……20歳で結婚し33歳で離婚するまでの13年の時間を再訪する。修行時代、コレットに言わせればそれは「自分は自分でしかなく、つまり心優しいひとりの若い女でしかなくて、匿名の仕事にも、服従の生活にも誇りを持てずに…

モロッコ流謫/四方田犬彦

文章にジュネを探してしまうけど、モロッコに縁のある作家をばーっと読めてかなりおもしろかった。ポール・ボウルズのパートナー、ジェイン・ボウルズが破天荒な女すぎていい。読みながら何冊か本を買ったり借りたりした。文章上手。いい読書ができた。 エル…

一神教と聖典

三大一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)につながりが見えるとおもしろい。わかる範囲でまとめてみる。 ○3つの聖典三大一神教にはそれぞれ聖典がある。聖典とは、神による「啓示」が書かれているもので、旧約聖書→新約聖書→クルアーンの順番で成立…

女という生きもの

どうして生理の話は恥ずかしいのだろう? ドラッグストアでは紙袋を用意してくれるし、実家では生理や性の話はタブーだった。「生理バレ」に怯え、生理用品のハート柄にふるえ、このテーマの扱いの難しさ(不器用に寄り添ったり突き放したりする関係)は、す…