遠浅

平野明

ららら

6時起床、二日酔い。キャリーバッグを閉じ、部屋を空にして水で拭く。書き置きを残してホテルを出る。雨上がりのいい天気、さわれそう。見送りはいない、歩いているとずっとこうして歩いてきた気がする。途中で安いアナログの時計と、イヤホンを買う。ステイ先への甘いお菓子も。電車、バス。トンネルの光は水色とオレンジのららら。なつかしい。昔、こういうちゃちなネックレスを作ったのかもしれない。それで空港。あっという間に夜。けさ、人の詩を読んで録音した。歩きながら繰り返し耳に流した一日だった。身体によく馴染むことば、つづり、くりかえし。

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