遠浅

平野明

手ばかりポタージュ

手ばかりポタージュ覚え書き。(2人分)

①小鍋を用意。200mlの水とコンソメを1かけ入れます。
②ネギ類をざくざく切って鍋に入れます。玉ねぎなら半分。長ネギなら手のひらぐらい。蓋をして中火でしばらく煮ます。
③その間にメイン野菜を用意します。おすすめはセロリ。舞茸。マッシュルーム。コーン。かぼちゃ。バターナッツ。とうもろこし。ほうれん草もおいしそう。片手に乗るぐらいの量を、ざくざく切って鍋に入れます。全体がしんなりして、このまま食べてもおいしそうだと思ったら火を止めます。
④ミキサーを引っ張り出してきます。鍋の中身をあけて、様子を見ながら回していきます。刃の回転が悪い時は水を足せば良いです。しっかり滑らかになったら鍋に戻します。
⑤200mlの牛乳を鍋に足して、火をつけます。混ぜながら全体を温めます。塩で味を整えたら完成。

〉計量カップがない。
200mlはマグカップとかお椀1杯分。だいたいで大丈夫。
〉ねぎは必要?
ネギを入れるのは、粒子を作って味を乗せるためだそう。試したことはないけど、無いとポタージュよりスープみたいになるのかな。本場フランスでは太くて甘いぽろねぎを使う。日本だと下仁田(しもにた)ネギが近いらしい。
〉ミキサーめんどい。
ミキサーを真面目に洗わないこと。ミキサーを使った後は、水を入れて洗剤を垂らして回転させるだけでok。棚の奥に重たそうに座ってるひとをキッチンに引っ張り出すときの腰重い感じはわかる。美味しいものができると思って、えいやとがんばって。

あたたかいスープが心に染みるって分かっていても、実際飲んでみたらびっくりします。木のスプーンで飲む、ひとくちひとくちが滋味深く、かちこちになった頭をゆるめてくれる。何よりこんなにおいしいものをひとりで作れることへの感動がある。大変なことがあったら(嬉しいことがあっても)誰かに作ってあげたい。きっと飲まないよりはましだろうから。

このレシピは、わたしの旦那さんに教わったものです。料理好き、というかレシピ好きの人と一緒に暮らし始めて、食事をすごく尊敬するようになりました。ご飯を作ってもらったり、一緒にキッチンに立ったり、お魚屋さんと顔見知りになったり、鰯の捌き方を覚えたり、里芋をベランダで乾かしたり、お皿を買いに出かけたり、友だちを夕飯に呼んだり。今はこういうドメスティックなことが本当に楽しい。もっと作ってみたい。もっと人とご飯を食べたい。