遠浅

平野明

6時に仕事終わり。家帰って13時まで寝る。お風呂入って部屋の掃除。雑用してるうちに夜。

 

2月の一週目からいろんなことが起こって気分が全然安定せず、ハイな7日を過ごしたあとはダウナーな4日だった。会わないと死ぬ、の言葉を真に受けて5万のフライトを予約したり、それをキャンセルしたり、「人は人を助けることも傷つけることも不可能」と理解してバイト先の厨房で泣いたり、それによってめちゃくちゃ執着していた縁を3件切ったり、母親に電話で謝って泣いたり、人から大好きって言われてものすごく浄化されたり、気持ちが大変だった。小学生の時は1日1日が長かった。1日ごとに人生が変わっていくような、例えば朝を「新しい朝」と信じていたほど日々は目まぐるしかったのに、歳を取ったらなんだか自分の思考とか生活とかに飽きてしまって、あれ先週わたし何したっけみたいなテンションだったのに、この一週間で自分の知らない感情がたくさん爆発して、人前で大号泣みたいな恥ずかしいこともして、すごくナマっぽく生きてる感じがした。

 

渦の中にいるとき、自分が渦の中にいることは自覚できなくて、抜け出した時にやっと気が付ける。そんな繰り返しばっかりだ。5万のフライトを取ることになったのも、そう。遠方の年下の子が夜中に泣きじゃくりながら電話するから、今すぐ会って助けてあげたくて、それしか頭になくて2月の生活費全部充ててチケットを取った。助けたい、会ってハグしてあげたい、喜ばせたい、元気になってほしい、わたしなら死にたい人に死ぬななんて野暮なこと言わないし、必要なものを必要なだけあげられるしと思って、「明日の夕方に会おうね」と約束した。

結局私は会いに行かなかった。今でこそ会わなくてよかったと思うけど(よかったと思うしかない)、あの渦の中の自分の気持ちを間違いだとは言いたくない。幼いとは思うけど、嘘ではない。

 

ていうか今おばあちゃんから「愛する人はできたかな?フフフ」とメールが来て笑っちゃった。